家族信託を使ってアパートを建てたり、すでに所有しているアパートを家族信託に組み入れたりすることで、さまざまなメリットを得られます。
個人でアパートを建てるとなったら、アパートローンを使うのがスタンダードですね。
ここでは、家族信託とアパートローンについて解説します。
なぜ家族信託を使うの
アパートを建てることは相続税の節税対策にとても有利です。
そこについては、別の記事で詳しく説明します。⇒不動産で相続対策って有効なの?
では、なぜ家族信託を使うのでしょうか。
家族信託を使うと以下2つの大きなメリットがあるからです。
・認知症などにより経営が出来なくなるリスクの対策ができる。
・受益者連続型信託を使って、二次相続以降の信託財産を誰が継承するかを明確にできる。
経営が出来なくなるリスクの対策ができる
家族信託を使ってアパート経営をする1つ目のメリットは、経営が出来なくなるリスクの対策ができることです。
認知症などにより意思能力が正常でなくなった際に、経営ができなくなってしまいます。
大きな修繕や新規借入金その他いろいろな法律行為が執り行えないことになってしまうからです。
家族信託を使うと、例えば委託者である父が認知症になってしまっても、受託者である長男が法律行為を執り行うので問題ありません。
なお、以下の記事で家族信託について詳しく説明しています。
信託財産の継承者を明確にできる
家族信託を使ってアパートを経営する2つ目のメリットは、受益者連続型信託を使って、二次相続以降の信託財産を誰が継承するかを明確にできることです。
受益者とは、信託財産から利益を得る人のことです。
そして給付を受ける権利のことを受益権といいます。
受益者連続型信託では、受益者がお亡くなりになったとき、相続人があらたな受益者となり信託契約は継続させたままにします。
このとき、委託者の地位も同時に相続人であるあらたな受益者にうつします。
また、受益権はあらかじめ指定された者に順次承継されることから、受益者連続型信託というのです。
一方、受託者は次の受託者を取り決めておくことができますし、複数人や法人でも受託者になり得ます。
例えばこのようなケースが見受けられます。
ご夫婦に子供がなく、ご主人がお亡くなりになったときは奥様に財産を全てお渡しして、奥様がお亡くなりになった後はご主人の甥などに財産を継承する取り決めを、あらかじめ確定しておきます。
受託者は信頼できる親戚の方であったり、家族で一般社団法人をつくって受託者とすることもあります。
また、もっと先の継承まで指定できますが、信託は30年ルールといって期限があるので永遠ではありません。
当初締結した信託契約が30年経過した後に、あらたに受益者になった人が亡くなった時が期限と決まっています。
このように受益者連続型信託では、遺言書でも不可能なことが可能になる大きなメリットがあり、デメリットを考慮したとしても恩恵を受けられる人は多いのです。
アパートローンはどうするの
家族信託を使って賃貸アパートを購入する場合、ローンを扱ってもらえない金融機関もあります。
理由は、金融機関によっては家族信託案件に対応する融資制度が出来ていない場合があるからです。
しかし、いろいろとイレギュラーなことが多いものの、取り扱い金融機関は確実に増えており、今後は広く普及していくと推測されます。
すでにアパートローンを借りているときは
家族信託をはじめる際に既にローン返済中のアパートを持っている場合は、そのアパートを家族信託に組み入れることができるのでしょうか。
これについては、信託契約書を作成するときから金融機関と相談して、承諾してもらう必要があります。
仮に承諾を得ずに家族信託に組み入れると、アパートの所有者が受託者に変わることにより、ローン契約の条項に違約することになる可能性が高くなることが理由です。
また、ローンを従来のままにしておくか、新たに借り換えをするか、または、受託者を連帯債務者にするかなどの方法について、金融機関とよく相談しなければなりません。
まとめ
- 家族信託を使ってアパートを経営するメリットは大きい。
- 金融機関によって対応が変わる。
- すでにローンを借りて経営しているアパートは、家族信託に組み込む際に金融機関と相談が必要。
家族信託を始めるときは、専門家にコンサル指導を受けながら微に入り細に入りフォローしてもらい、始まった後も相談に乗ってもらえるような関係性をもって始めましょう。